日本で一番長い小説☆彡南総里見八犬伝☆彡

南総里見八犬伝〈1〉 (岩波文庫)

南総里見八犬伝〈1〉 (岩波文庫)

原文で読んでみようと決心したのは、昨年の3月ごろです。
ちょっとずつ読み進めて最近漸く、二巻まで読了(^ω^;;)
岩波だと全10巻でしたっけ…読み終わるのいったい何年後でしょう?
九十八巻百六冊。日本古典文学史上類が無いとか源氏物語太平記を超越してるとか全百八十回だし超長いとか

うっかり手をつけてしまったのは軽挙だったかも;

原作読んでみて初めて、児童書とかだとストーリーが凄い大雑把に省略されてたな、というのがわかりました。もの凄い内容量だよ…里見義実が龍についてウンチクを長々垂れるとこからしてビックリだよ…滝沢馬琴の脳みそどうなってるんでしょう。ハンパない知識量に何度もびっくりしながら読みました。

一巻は、結城合戦で青年・里見義実が結城の城を落ち延びるところから始まる。
八犬士が出てくるのはだいぶ後になってからです。それまでは里見義実が主人公。…あらすじ語るだけで何時間かかるかわからないなこれ;で…まあ色々紆余曲折を経て(端折りすぎ)犬塚信乃と犬川荘助が義兄弟の契りを結ぶところで一巻が完結します。八犬士のうち2人しか出てきてくれません。

八犬伝』。

異類婚!

…エロスだなあ!!

やっぱり伏姫と八房がふたりきり(一人と一匹?)で山暮らしするシーンはドキドキしつつ読みました。…禁断の…いやそれはありえないのですが矢張り解っていてもドキドキ。だいたい「犬の精を感じて」身ごもるってどういうことですか…!美少年とかもありですしね…犬塚信乃は、元服するまで女装で育てられたのですよね…ああ滝沢馬琴って、滝沢馬琴って………エロの伝道師?番作自害シーンの信乃は特に印象的だった。返り血を浴びて、長い髪を乱して、刀を片手に持った女装の少年(足元には父の死骸と犬の生首)なんだこのシーンは
ものすごくそそります。

そしてやはり、名文です。

濁世煩悩色欲界、誰か五塵の火宅を脱(のが)れん。祇園精舎の鐘の声は、諸行無常の響あれども、飽(あく)まで色を好むものは、後朝(きぬぎぬ)の別れを惜むが故に、只これをしも讐(あだ)とし憎(にくめ)り。沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の理りを顕(あらは)せども、徒(いたづら)に香を愛(めづ)る者は、風雨の過なんことを妬むが故に、偏(ひとへ)に延年の春を契れり。観ずれば夢の世、観ぜざるも亦夢の世に、孰(いづれ)か幻ならざりける。……

こんな調子で惜しげもなく武士道と正義と愛をうつくしく滔々と説いているものだから
本当に圧倒されます。はあ…しかし長い。いつ読み終わるのか。