凶弾に倒れた総理大臣☆彡 金解禁にかけた情熱☆彡

男子の本懐

男子の本懐

途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である。

今年の3月、逝去された城山三郎先生へ。追悼の意をこめてこの本に手をつけました。
日本の経済小説界の大御所、城山先生…まさに巨星墜つの感


27代目の総理大臣・ライオン宰相こと浜口雄幸とその右腕で大蔵大臣・井上準之助
この2人が「金解禁」という同一の目標に向かって邁進努力する話です。
重厚で威厳に満ちた浜口と、スマートで行動派でやや軽薄の感がある井上…タイプが異なるからこそ良いコンビなんだな〜っ
同じ性質のところもあったけど…二人ともゴルフが好き(だけど上手くない)とか、家族に甘い(家では良いパパ)とか。こーいうヒューマンなネタが多くて思わず声出して笑っちゃったよ
しかし昭和史にこんなカッコいい人らがいたとは意外だった。いつか自分が暗殺されるであろうことを自覚しながら仕事って、フツーできるもんですかね。並の覚悟ではありませんよね

私は残念ながら経済学に詳しくありませんので、どうして金の輸出を解禁すれば国内がデフレになるのかとかそういう機構がよくわからないんですが、城山先生は要所要所できわめて単純でわかりやすい説明を挿れてくれていたので、スッキリ読めました。